「国家情報局」と「国家安全保障局」— 似ている名前だけど何が違う?
公開日:2025-12-14 更新日:2025-12-14
名前が似ていますが、ざっくり言うと役割はこう違います。
- 国家情報局(※いまは“創設を検討中”の段階):国の「目と耳」。情報を集めて、整理して、わかりやすく分析する役。
- 国家安全保障局(NSS):国の「司令塔」。外交・防衛・経済安全保障などの方針をまとめ、関係省庁の調整をする役。
1. 国家安全保障局(NSS)って何?
内閣官房にある組織で、国家安全保障会議(NSC) を支える「事務局」です。
主な仕事は、次の3つです。
- 国の安全保障(外交・防衛・経済安全保障など)の基本方針を考え、関係省庁の調整をする
- 緊急事態のときに、外交・防衛・経済の観点から提言する
- 必要な情報を各省庁に「発注」し、集まった情報を総合整理して政策づくりに使う
つまり、NSSは「情報そのものを集める現場」よりも、集まった情報を使って国としての方針をまとめる役です。
2. 国家情報局って何?(いまの段階)
ここがポイントで、日本では、国家情報局は“すでにある組織”ではなく、創設が検討されている段階です。
報道や提言では、現在の 内閣情報調査室(いわゆる「内調」) を格上げして、
各省庁に散らばっている情報を 集約・分析する「司令塔」 を強化する、という構想が語られています。
つまり国家情報局は、「情報を集めて分析する専門部署を、いまより強く大きくする」イメージです。
3. 2つの違いを、もっとシンプルに言うと
- 国家情報局(予定):
「集める・整理する・分析する」= 情報のプロ - 国家安全保障局(NSS):
「決める・まとめる・動かす」= 政策の司令塔
料理にたとえると……
- 国家情報局:材料(情報)を集めて、下ごしらえして、味見して、レシピ用にまとめる
- 国家安全保障局:その材料とレシピを使って、「今日の献立(国の方針)」を決め、台所(各省庁)に指示する
4. どうして今、話題になるの?
背景としてよく挙げられるのは、次のような課題です。
- 国を取り巻く脅威が増えている(国際情勢、サイバー攻撃、偽情報など)
- 情報が省庁ごとに分かれていて、首相官邸に集まるまで時間がかかるという問題がある、という指摘
一方で、国家の情報活動が強まると、
市民への監視強化につながるのでは、言論や表現の自由に影響しないかといった懸念も報じられています。
(ここは今後の制度設計や監視・チェックの仕組みが大事になります)
5. まとめ(1分で理解)
- **国家安全保障局(NSS)**は「政策の司令塔」:安全保障の方針づくりと省庁調整を担当
- **国家情報局(検討中)**は「情報の専門部署」:情報の集約・分析を強くする構想
- 情報(インテリジェンス)を作る側と、政策を決めて動かす側で役割が違う
参考(一次情報・報道)
- 内閣官房「国家安全保障局」:https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/anzenhosyou.html
- 毎日新聞(2025/12/9)「国家情報局」創設方針・担当相新設検討:https://mainichi.jp/articles/20251209/k00/00m/010/220000c
- ロイター(2025/10/23頃)国家情報局創設の検討:https://jp.reuters.com/markets/japan/NRUIHFPUAZK5NN6EWW3MTIZYLU-2025-10-24/
- 日本国際問題研究所(JIIA)戦略コメント(2025/11/21)インテリジェンス強化提案:https://www.jiia.or.jp/strategic_comment/2025-14.html
- 共同通信系の報道(神戸新聞 2025/12/5 ほか)監視強化への懸念:https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/202512/0019782605.shtml