アスクルに起きたサイバー攻撃:私たちの生活にどう関係あるの?
◆状況
文房具やオフィス用品の通販で知られる アスクル が、2025年10月に サイバー攻撃を受け、一時的にネットの注文サービスが使えなくなりました。
「LOHACO(ロハコ)」などの関連サービスも一部で影響を受け、多くの企業や個人が商品を注文できない状態になりました。
◆原因
外部から不正なアクセスがあり、社内のサーバー(データを管理するコンピュータ) が止められたのが原因とみられています。
これは「ランサムウェア」と呼ばれるタイプの攻撃で、データを人質にして身代金を要求するサイバー犯罪の一種です。
近年、日本企業でもこの手口が急増しています。
◆問題定義(何が問題なのか)
一番の問題は、
- 企業が持つ 大切なデータが使えなくなる
- 業務が止まり、取引先やお客様に迷惑がかかる
という点です。
また、個人情報や取引情報が外に漏れた可能性もあり、信用の回復には時間がかかります。
◆予測(今後どうなるか)
アスクルはすぐに専門チームを作り、警察やセキュリティ会社と連携して調査しています。
しかし、データの復旧や再開には 数週間から数か月 かかる見通しです。
今後も同じような攻撃が増える恐れがあり、他の企業でも対策の強化が急務です。
◆対策(会社として・私たちとして)
アスクルが行うべき対策:
- データの バックアップ(予備コピー) を安全な場所に保管
- 不審なメールやリンクを防ぐ 社員教育の徹底
- 専門のセキュリティ体制を常時稼働させる
私たちができる対策:
- パスワードを複雑にする
- 不審なメールや添付ファイルを開かない
- 個人情報の登録先を必要最小限にする
◆影響(私たち・社会にどう影響するか)
企業やお店が注文できず、日用品やオフィス用品が届かない 状況が続くと、
- 仕事が止まる
- 店舗の営業に支障が出る
などの影響が出ます。
また、同じような攻撃が増えれば、日本全体の物流や経済にもダメージが広がります。
◆株価への影響
攻撃が発表された直後、アスクルの 株価は一時的に下落 しました。
「信頼が揺らいだ」ことへの投資家の反応です。
ただし、対策が進みサービスが再開すれば、徐々に回復 する見通しです。
◆今後の見通し(回復までの時間)
完全復旧には 1〜2か月程度 かかる可能性があります。
再発防止策をしっかり行えば、ユーザーの信頼も少しずつ戻っていくでしょう。
ただし、データ流出の有無がはっきりするまでは、安心とは言えません。
◆同様の事例との比較
近年では、
- 帝国データバンク(2024年)
- カプコン(2020年)
など、同じようにランサムウェア攻撃を受けた企業がありました。
どの企業も共通しているのは、
「ITの強い会社でも被害にあう」ということです。
つまり、“安全そうに見える会社”も狙われる時代になっています。
◆まとめ
アスクルの事件は、私たちにとっても「他人事ではない」出来事です。
スマホもパソコンも、仕事も買い物も、すべてがネットでつながっている今、
「サイバー攻撃」は地震や台風と同じ“社会の災害” と言えます。
被害を防ぐには、
「自分には関係ない」ではなく、
「自分のデータも守る意識」 を持つことが大切です。